コロナでも雛旅。古(いにしえ)の雛を訪ねる、4泊5日の長野・岐阜・愛知 32 - 「水舟」の町(2021年3月28日/3日め)
2021年3月28日 郡上八幡の町で。肉桂玉で有名な、「桜間見屋」さんです。(岐阜県郡上市)
3月28日
食べ物屋さんを探して、
郡上八幡の町を歩きました。
マンホールに描かれているのは、鮎でしょうか。かわいいですね。^^
はじめは、住宅ばかりでしたが…、
少しずつ、お店屋さんが見えてきました。ここは、「大矢食堂」とあります。
お店の前に、「水舟」がありましたよ。^^
【水舟】
湧水や山水を引き込んだ二槽または三槽からなる水槽のことを言います。郡上八幡の人々が脈々とつないできた象徴とも言えるものが、この「水舟」のシステムです。個人の家の敷地内はもちろん、観光用に設置されたものも、町のあちこちで見かけます。水槽のうち、最初の槽は、飲用や食べ物を洗うことに使われ、次の槽は汚れた食器などの洗浄などに使われます。そこで出たご飯つぶなどの食べ物の残りは、そのまま下の池に流れて、飼われている鯉や魚のエサとなります。こうして、水は自然に浄化されて、川に流れこむしくみです。この町では、強い洗剤などは使われません。「川上に暮らす人は、川下のことを考える」という、人々の思いやりの心が、美しい水の循環を守っています。
30年くらい前に、テレビで、
「水舟の町」として、
郡上八幡が紹介されたのを見ました。
それ以来、
「この町に、いつか行ってみたい。
水舟を見たい。」
と思っていたのです。
お蕎麦屋さんと茶房。どのお店も、町の景観に溶け込むように、配慮して作っていることがうかがえます。
夫の大好きな酒屋さんがありました。「上田酒店」です。
ここにも、水舟がありました。
お店をよく見ると、おや、外壁に飾られている四角い布は、筒描きではないですか。^^
【筒描き】
筒描きとは. 筒に米糊を入れ、先端の筒金から少しずつ押し出して、米糊で文様を描くようにしていく、染めの技法のひとつです。布地に糊置きすることによって、防染しているわけです。筒描きは、古くから、婚礼や出産、祭礼といった、ハレの機会に作られました。
嫁入り道具として作られた筒描きは、壁に吊るして飾られましたが、やがてお布団になりました。木綿地や麻地を用いた夜着、風呂敷、暖簾、法被になることもあったそうです。
どうして筒描きを知っているかと言うと、
群馬県に旅行した時に、
たくさん見せていただいたからです。
群馬県・かやぶきの郷の、「筒描きと時代箪笥回廊」で見た、筒描きです。(2020年11月13日)
お店の中に入ってみました。奥の壁にも、筒描きが飾ってあります。
こちらにあるのは、こいのぼりの筒描き。暖簾のように飾ってありますね。^^
かやぶきの郷で、筒描きについて
おしえてもらっていなければ、
たぶん、郡上八幡でも、
筒描きがあることに気がつかず、
通り過ぎていたと思います。
同じ日本の中だから、文化や歴史が、
いろんなところでつながっているんですね。
最近は、旅行先で、
「ああ、これはたしか、
**にもあったな…。」
って思うことが、よくあります。
コロナ禍の前は、
海外にばかりでかけていました。
国内旅行は、高いからです。
コロナのせいで、
海外に行けなくなって、
しかたなく始めた、国内旅行でした。
でも、日本の中を旅行するのって、
知れば知るほど、おもしろい。^^
郡上地みその「大黒屋」。
肉桂玉で有名な、「桜間見屋(おうまみや)」。
【桜間見屋(おうまみや)】
明治20年に創業した、元祖肉桂玉本舗です。添加物は使わず、ほとんどの作業を機械に頼らない昔ながらの手作業で、手間隙かけて「肉桂玉」を作り続けています。甘くどさが残らない上質な中ざら糖を使用し、飴の味を追及した肉桂玉は、永い間郡上土産の定番として愛されてきました。
肉桂とは、シナモン、カシア、ニッキともクスノキの一種の樹皮をはぎ取って乾燥させたもので、日本名を、桂皮または肉桂といいます。
「肉桂玉」とは、小さいころに食べた、
ニッキ飴のことなんですね。^^
店内では試食もできるそうですが、
このときは、体のあちこちが痛くて、
歩くのがせいいっぱい。
試食をする元気はありませんでした…。😅
桜間見屋の肉桂玉(にっけいだま)。奥に見えているのは、黒肉桂(くろにっけい)です。沖縄産の黒砂糖を使用することで、ニッキの辛さがまろやかになっているそうです。(画像をお借りしました)
「こさか陶器店」。八幡町本町界隈は、古いお店がいくつも並んでいました。
郡上八幡も、コロナの影響で、
観光客はほとんどいないようです。
ここでも、
通りを歩いているのは私たちだけ、
という寂しさでした。
観光地はどこも、
このような状況だろうと思います。
胸がいたみました。
(つづく)