MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
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をご覧ください。
ベトナム家族旅行:
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小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
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コロナでも雛旅。古(いにしえ)の雛を訪ねる、4泊5日の長野・岐阜・愛知 17 - 田中本家博物館 大正時代の室内遊び玩具(2021年3月27日/2日め)

2021年3月27日 「ままごと道具」。丸いお盆で、直径5センチあまりでしょうか。小さな小さなおままごと道具の数々。その器に施された柄の数々に、ため息がでました。(長野県須坂市・田中本家博物館 )


【お知らせ】
田中本家博物館から、「江戸時代再現食事会」のお便りをいただきました。
「初夏のお食事会」を、感染防止対策をとった上で、粛々と開催されるそうです。
6月9日(水)、12日(土)、13日(日)、16日(水)、18日(金)、19日(土)、20日(日)
の計7日間です。(1日限定10名の完全予約制)
器には、初出の陶磁器を使い、漆器には「蒔絵つゆ草吸物椀」が使われるそうです。
掛軸は、河鍋暁斎が田中家で描いた「牽牛織女図」。
初夏らしい、さわやかな彩りになりそうですね。^^
詳細につきましては、MIYO に、コメントでお尋ねください。
(メールアドレスを教えていただいた場合は、ご案内をメール添付でお送りできます。)
ちなみに我が家は、即座に申し込んでしまいました。笑


3月27日


田中本家博物館で、
美しい器の数々に魅了されました。



そして、器から、身の回りの小物へと、
展示が変わります。


女性用の小箱やコスメ、香水瓶など。田中家の方々が使っておられた品々です。


このあと、
子どものおもちゃの展示が始まるのですが、
そのコレクションが、またすごいのです。
数が多いだけでなく、
どれも、美しく保存されています。
ここは「おもちゃ博物館」ではなく、
「田中本家」という、
ひとつの「家庭(家系)」だったわけです。
そこに、これだけのものが保管されていた。


汚れや損傷もほとんどなく、
大切に保管されていたおもちゃの数々に、
「豪商 田中本家」の、
富裕でありながらも質実な暮らしぶりが、
垣間見えるような気がします。


教育玩具 オザシキアソビ(大正時代)

ペープサート(立絵紙芝居)「猿蟹合戦」(大正時代)
ペープサートとは、平面人形のひとつで、「ウチワ型紙人形劇」のことを言います。2枚の紙に人形画(登場人物)を描き、中心に竹串をはさんで貼り合わせたあと、まわりをウチワ型に切り抜いて作ります。竹串を持ち、表裏二面をクルックルッと返して操作します。

ボールまわし(大正時代)
上からボールを落とすと、くるくる回りながら下に落ちて行くおもちゃ。現代にもありますよね。^^ これは外国製だったのでしょうか。箱までもがいっしょに残されているところがすごいです。

オープンカーと路面電車(大正時代)
こちらも、きれいな箱といっしょに残されています。

和柄の布で飾られた、人力舎。

ハトポッポとニコニコオキアガリ(大正時代)

大正時代の室内遊び玩具

すごろく

お人形あそび。小物の数々がかわいらしいですね。右上には、お人形のための鬘までありますよ。

これもすごいです。お人形と4個の鬘がセットになり、木箱に収められています。着物だけでなく、鬘まで取り換えて遊んだんですね。^^

そして最後に感動してしまったのが、「おままごと道具」の展示です。(明治・大正時代)

陶器、漆器、木製、金属がきちんと区別され、精巧に作ってあります。数もすごいのですが、そのどれもが、きれいなままで残されているということに、驚かされます。

急須をはじめとした、食器の小ささ。その絵柄の細かさ。泣けますよ。

田中家の子どもたちが、このお人形といっしょに、おままごとをして遊んだのですね…。

小さな小さな裁ちばさみ。その隣りにあるのは、アルミで作った、3段のお弁当箱。タイでよく見かけるものですが、こんなものが日本の大正時代にもあったのですね。


もしかして、使ってなかったんですか?
…と尋ねたくなるくらい、
美しいままのおもちゃたちでした。
「たいせつに扱うように」と、
小さな子どもたちにも、
おしえておられたのかもしれません。


現代は、物がありすぎて、
誰もが、「断捨離、断捨離」と
物の処分に取り組む時代。


けれど、今よりもはるかに、
物が少なかった時代に、
これほどまでに、
おもちゃをきれいに使い、
大切に保存していた。
保存できるだけの、場所があった。


「物をていねいに使い、
 大切に保管する。」
という、田中本家のありかたに、
豪奢という意味とはまた別の、
「豊かさ」を感じてしまいます。


子どもたちが愛した品々を、
大切な思い出の品として、
器や掛け軸と同じように、
土蔵の中で保管し続けていた、
田中本家の方々。


たくさんのおもちゃからは、
田中家の子どもたちに向けられた、
愛情に満ちたまなざしを感じました。


「感動したおままごと道具」で思い出したのが、滋賀県・近江八幡市の旧西川利右衛門宅。300年にわたって続いた西川家のおままごと道具も、すばらしいものでした。(2020年9月24日)


次回はいよいよ、圧巻です。
田中本家に伝わる衣装の展示にはいります。
時代を超えて保存されてきた、
衣装の数々。
息をのむような美しさでした。


(つづく)

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