コロナでも雛旅。古(いにしえ)の雛を訪ねる、4泊5日の長野・岐阜・愛知 11 - 田中本家の「提重(さげじゅう)」(2021年3月27日/2日め)
2021年3月27日 田中本家の、「春の江戸時代料理 再現食事会」で。(長野県須坂市)
3月27日
提重について説明される、第12代ご当主。
ちなみに、このときMIYOは、
「提重」ということばすら、
知りませんでした。😅😅
【提重】
4〜5人分の酒の肴が入る重箱、銘々皿、酒筒や盃などの酒器を携行できるように、持ち手のついた外枠の中におさめたものです。花見重、野弁当とも呼ばれ、大名をはじめとした富裕な人びとが使用したもので、観劇、お花見、紅葉狩り、お月見や夕涼みなど、四季折々の物見遊山の際に活躍しました。
提重は、江戸時代のお弁当箱です。たとえばこれは、黒漆塗鉄線蒔絵提重(くろぬりてっせんまきえさげじゅう)というもので、江戸時代後期のものです。公益財団法人鍋島報效会の所蔵品です。(画像をお借りしました)
それでは、田中本家に伝わる提重を、
拝見いたします。
江戸時代のものです。
持ち手のついた外枠。鹿に紅葉の絵です。
持ち手は、扇の形になっています。
重箱
それぞれの面に、異なる草花が描かれています。
蓋に描かれているのは、獅子の親子でしょうか。
そしてさらに素晴らしいのは、この蓋の側面です。ほとんどの提重では一色に塗りつぶされている部分なのですが、こんなところにまで、細かい柄が描かれています。
銘々皿と盃
酒筒
酒筒入れと小箱。描かれているのは、桜です。
右の方から左の方へと、順に送りながら、
すべてのお道具を、
手に取って見せていただき、
恐縮しました。😅
ここで、障子を開け放って、
お庭の全景を見せていただきました。
枯山水で整えられた庭が広がります。
このあと、屋敷内の見学時には、この飛び石を踏みしめながら、お庭を鑑賞させていただきました。
この日の掛け軸です。
さて、それでは、お部屋を移動します。これまでは、受付の隣りにある「控えの間」にいたのですが、廊下を歩いて、広間に入りました。お席は、申し込んだグループごとに用意されていて、私たちの席は、お部屋の真ん中にありました。
てっきり、畳に座って、箱膳をいただくものと思っていたのですが、間隔をあけて並べられたテーブルでいただくようです。足がラクなので、助かります。^^ この、中央に置かれたテーブルが、私たちの席です。
かつては、小林一茶翁などの著名な方々も滞在したというこのお屋敷。一茶直筆の色紙が、今も残っているそうです。さて、いよいよ、食事会が始まります。
(つづく)