ガンになるまでの日々 30 - 再発(2016年6月10日)
2008年11月23日 ドラム教室で。(全盲難聴・のんたん 13歳/中1)
6月10日
2015年2月3日に手術し、
右の卵巣を切除。
2か月近く入院したあと、
3月15日に、ようやく退院しました。
T病院での入院生活は快適だったし、
H医師には、ほんとうに
お世話になりました。
H医師は、毎朝、出勤すると、
まずは、ご自分の患者の病室を
全部、訪ねて歩かれます。
あらかじめ、個々の患者のカルテも
チェックしておられたようです。
前夜に、私の腹痛がひどく、
痛み止めの点滴をしてもらったときなどは、
「昨日は、ちょっと痛かったね。」
などと、必ず、声をかけてくださいました。
そして、実は、朝だけではありませんでした。
昼食後と、夕方、帰宅する前にも、
必ず、病室まで来てくださいました。
そして、助手の方とお茶目な冗談を言ったり、
なにかと笑わせてくださいました。
いつもありがたく、心強い思いでした。
長い入院生活でしたが、
あまりにも居心地がよかったので、
それほど苦になりませんでした。^^
いつか、また入院するようなことになったら、
そのときはぜひ、T病院で、
H医師にまた診ていただきたい、
と、今でも思っています。
さて、退院したあとは、
復職し、仕事のかたわら、
月に一回、T病院に通うことになりました。
「ガン」と診断されたとはいえ、
H医師から、
「当面は、抗がん剤も放射線も、
なにもやらないで、ようすをみましょう。」
と言われていたので、
なんの治療もありませんでした。
仕事も、プライベートも、
すっかり、元の生活に戻っていました。
そのかわり、月に一回、休暇をとって、
T病院に通うことになったわけです。
病院では、まず血液検査をし、
婦人科で超音波の診察を受けます。
その後、H医師と、
たわいのないおしゃべりをする…という、
そんなことを、一年以上、
繰り返していたように記憶しています。
2016年6月のことです。
いつもの診察のときに、H医師から、
「このところ、撮っていなかったよね。
久しぶりに、CTを撮ってみましょう。
来週、もう一回来てね。」
と言われました。
毎月一回、休暇をとるだけでも、
有給休暇がずいぶん減っていたので、
あまり休みたくなかったのですが、
そんなことは言えません。
しかたなく、一週間後にCT検査を受けました。
そのあとは、H医師の診察です。
CTの画像をいっしょに見ながら、
H医師が説明してくださいました。
「左の卵巣の、この部分が**だよね。
再発だと思います。」
えっ…
またも、H医師の不意打ちです。(苦笑)
一週間前の診察で、超音波画像を見たH医師、
左の卵巣に再発しているのではないかな、
と思ったそうです。
それだけで、再発ってわかったんだ…。
すご。
それなのに、何食わぬ顔して、
「久しぶりに、CTを撮ってみましょう。」
と言うなんて…。(苦笑)
H医師らしいなあ。
そして、CT画像を見て、再発と確信した、
ということのようです。
「手術から一年ちょっと経ってるからね。
再発するとしたら、
今くらいの時期なんだよね。」
ああ、そうなんですか…。
再発なんて、予想もしていませんでした。
月に一回の診察が、
このままずうっと続くような、
すっかり、そんな気持ちになっていました。
のんきなものです。(苦笑)
「どうする?
G研に行く?」
「はい。行きます。」
以前にも書きましたが、
私は、ガンになったときは、
G研で治療を受ける、と決めていました。
前回、G研に入院したときは、
ガンではありませんでしたが、
今回は、今度こそ、正真正銘の、ガンです。
数えてみると、あの入院から、
8年近くもの年月が、過ぎていました。
あの場所に、また戻るんだなあ…。
「それでは、私の診察は、
これでいったん終了とします。
次回の診察は、
『MIYOさんからご連絡をいただいたときに』
と、カルテに書いておきますね。」
H医師から、紹介状と、
これまでのデータをいただきました。
腹壁瘢痕ヘルニアの手術をしていただいてから、
ずっと通い続けた、T病院。
思いがけず、H医師とは、
2年間もの、長いおつきあいになりました。
そしてこの日が、
H医師との、お別れの日となりました。
(つづく)
教室では、長男にもわかるよう、ていねいに教えていただきました。
続いて、ジャンベです。先生のジャンベに合わせて、長男はカホンを叩きました。
ジャンベもカホンも大好き。^^