MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
http://limings.muragon.com/tag/?q=2019%E5%B9%B49%E6%9C%88-10%E6%9C%88%E3%80%80%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0&p=4 
をご覧ください。
ベトナム家族旅行:
https://limings.muragon.com/tag/?q=2017%E5%B9%B412%E6%9C%88%E3%80%80%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0
小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
http://limings.sweet.coocan.jp/

ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 18 - KON HENG RESTAURANT で朝ごはん(2024年1月16日/5日め)

2024年1月16日 KON HENG RESTAURANTで。(カンボジア・プノンペン)


1月16日(日)- 5日め


朝ごはんを食べるお店を探して、
食堂街を歩いていると、
バスの手続きを終えた夫が、
こちらの方にやってきました。


「候補のお店がふたつあるんだけど、
 どっちにする?」
と言いながら、夫にふたつのお店を見せました。


そのふたつから夫が選んだのが、このお店、KON HENG RESTAURANT です。看板に漢字が書いてあるので、華人が経営しているのかもしれません。

決め手になったはコレ。お店の前で、炭火で焼いているお肉が、実においしそうなのです。

カメラを向けると、恥ずかしそうに笑ってくれました。^^

店内は、地元の人々でいっぱいでした。出勤前に朝ごはんを食べていく人が多いようです。手前の3人の女性は同じところに勤務しているようで、お揃いの制服を着て、仲良く食事していました。

食事している人は、誰もがオフィスで働くような服装でした。写真中央の男性は、なんと、ネクタイまで締めて、麺をすすっています。笑


地元の人たちでにぎわっているお店が、
おいしくないわけはない、ですよね。^^
期待をこめて、店内に入りました。


まずはテーブルセット。タイの食堂に置いてあるのと似ています。

メニューは、英語とカンボジア語。

注文を終えるとすぐに、油条とお茶のポットが運ばれてきました。あはは、中国の朝ごはんみたいです。^^

MIYOの朝ごはんは、魚のつみれのスープ麺(Noodle Soup with Fish Ball/3.75ドル)。

リフトアーップ。春雨のような細い麺です。

ひとくち食べたあと、別添えの野菜を入れて、味変。

「おいしい。すごくおいしい。」と、MIYO、うれしそうです。😄

夫は初志貫徹で、店先で焼いていたお肉を盛りつけた、バーベキューごはん(Fried Lok Lak/4.25ドル)。あとでわかったのですが、このバーベキューごはんは、カンボジアで、庶民の朝ごはんの定番となっているのだそうです。


【Lok Lak】
伝統的なクメール料理です。牛肉または豚肉のスライスをマリネし、薄茶色のソースで焼いたり炒めたりしたものです。ご飯やグリーンサラダ、ペッパーソースなどを添えていただきます。ほとんどのレストランで提供される料理ですが、味はシェフや地域によって異なります。


「んまっ」

大満足でお店を出ました。食事中、なにかと気配りしてくれたお姉さんといっしょに、最後に一枚。まだ若いのですが、経営者ファミリーのひとりだったのか、お店の要のようになっていました。食事代の支払いも、彼女にしかできないようになっていました。

食事のあとは、再びバスステーションへ。セイラ・アンコール・クメール・エクスプレスは、たったこれだけの小さな会社ですが、ウェブサイトを持っているので、日本からチケットの予約・支払いができました。

一応、バスステーションです。自動車修理工場みたいですが。笑


「ホーチミン-プノンペン」
「プノンペン-シェムリアップ」
のバスチケットは、日本にいるときに、
夫ががんばってサイトを探し、
ネット予約・支払いを済ませてありました。


でも、来てみてわかったのですが、
バスの座席は、たいてい、空きがあります。
日本から予約していかなくても、
その場でチケットは買えそうです(たぶん)。
まあ、事前に買っておけば、安心ですけどね。^^


バッグをバスに載せてもらい、座席に座っていると、お坊様が托鉢にやってこられました。「こ、こんな逃げ場のないところで…。」と焦りましたが、乗客は、ごく自然にお金を差し上げていました。


カンボジア、ビルマ、タイなどでは、
あたりまえの光景です。
なのですが…。


バスが出発を待っているあいだに、
こんな小さなバスの入り口に、次々と、
何人ものお坊様がやってくるのです。🤣🤣


たいした金額ではないとはいえ、
毎日、こんなふうに次々と差し上げていたら、
けっこうな金額になるのでは…。
などと思ってしまいました。
でも、みなさんは、
それが普通だと受け止めているようです。


仏教国なんですね…。


9時。30分ほど遅れて、バスが出発。15人くらいが乗れる、ミニバスです。

ボトルのお水が配られたのですが、セイラ・アンコール・クメールのオリジナルボトルでした。なぜみんな、オリジナルボトルを作りたがるのだろう…。🤣

窓の外の景色は、大体こんな感じ。MIYOがイメージしているカンボジアの、典型的な風景がそのままに見られて、うれしくなりました。

途中の休憩所で。


シェムリアップまで、5時間。
こんな小さな田舎町をいくつも通り過ぎながら、
バスは走り続けました。


(つづく)

ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 17 - 朝の食堂街(2024年1月16日/5日め)

2024年1月16日 トゥクトゥクに乗って、バスステーションへ。(カンボジア・プノンペン)


1月16日(日)- 5日め


陸路でカンボジアに入国して、
2日めの朝です。
この日は、朝8時半のバスで、
プノンペンからシェムリアップに
移動することになっていました。


プノンペンには、わずか17時間ほどの滞在。
あくまで、シェムリアップに行くための
中継地、という位置づけでした。


ホーチミンからシェムリアップまで、
直接行くバスがあれば、
プノンペンで一日を費やす必要はなかったのですが、
夫によると、
「ネット上で、そんなバスが、
 どうしても見つからなかった。」
と…。


でもこのあとで、
シェムリアップに着いてみたら、
「シェムリアップ⇔ホーチミン」
というバスが、いくつも走っていました。


「バス便がない」のではなく、
「日本からネットで購入しづらい」
ということのようです。


実際にシェムリアップを歩いてみて、
バス便はいくらでもあることがわかったので、
日本からネットで予約しておく必要はなさそうです。


そのうえ、
「シェムリアップ⇔バンコク」
なんていうバス便があるのもわかりました。
すごいです。^^


「そのうち、バンコクに行く機会があったら、
 てきとうにバスのチケットを買って、
 バンコクからシェムリアップに、
 陸路で入国してみたいね。」
…と、多動夫と話しました。


このふたりなら、きっとやるだろうな。
…って、今、思いましたか?
正解です。😄
この構想は、「今後やってみたいことリスト」の、
かなり上位に入ってしまいました。🤣
(まあもっとも、多動夫は、
 「タイからカンボジアに鉄道で行きたい。」
 と、以前から言ってるので、
 そっちが優先されるかもですが。)


…と言うことで、シェムリアップ行きのバスに乗るため、朝7時20分に部屋を出ました。カードキーをフロントに返して、チェックアウト。

何回見ても、博物館みたいなホテルでした。🤣

国立博物館でお勉強したあとなので、今ならわかります。これは、「腕のあるジャヤヴァルマン7世像」です。

プノンペン国立博物館で見た、「腕のないジャヤヴァルマン7世像」。国宝級と言われている像です。
ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 15 - プノンペン国立博物館② 神鳥ガルーダの彫像(2024年1月15日/4日め)


有名な像のレプリカを作ったついでに、
両腕もつけちゃったんですね。😄


ちなみに、国立博物館前通りには、こんな石像を売るお店が、いくつもありました。

画廊の店先にも、なにげに置かれていて、売っているんだか自家用なのか、よくわからない状態。


Okay Boutique Hotel に着いたとき、
「こんなにたくさんの石像を、
 いったいどこから持って来たのか?」
と思ったのですが、
もし、自分の家に飾りたいと思ったら、
(↑絶対に思いませんが。)
売っているお店はいくらでもありそうです。🤣


再び、Okay Boutique Hotel のロビーです。夫がチェックアウトをするあいだ、MIYOは壁や天井を眺めていました。細かい細工が施してあって、ほんとうにすごい。

そしてソファに座って、Grab をリクエスト。

待ち合わせ場所をOkay Boutique Hotel、目的地をバスステーションに設定すると、選択肢がいくつも出てきます。前日は、GrabTuk Tuk (4700リエル/約190円)という、いちばん小型のリキシャ(トゥクトゥク)に乗ったのですが、旅行かばんもいっしょに載せるとぎゅうぎゅう詰めだったので、今回はワンサイズ広めの GrabMaxima(5200リエル/約210円) にしてみました。どんなのがくるのかな、と、ホテルの前で楽しみに待っていたら…、

来ました! こちらに向かって走ってくる、健気なトゥクトゥクが1台。😄

到着~。あはは。ドライバーさんの顔が、Grabアプリの写真とおんなじだ。(←あたりまえ)

前日の夜、レストランからの帰りに乗ったのも、GrabMaximaでした。数十円高くなりますが、足元が広く、余裕でかばんを乗せることができます。また、座席にドアも付いています。

こちらは、いちばんお安い、GrabTuk Tukです。見かけはほとんど同じなのですが、足元が少し狭くなっています。大きなカバンなどがなければ、こちらで十分でした。

しゅっぱ~つ! 天井には大きな段ボールが貼ってあるのですが、それがなぜか必ず、「サムスンの冷蔵庫」の梱包箱だったのが、夫のツボにはまってしまいました。🤣

10分足らずで、セイラ・アンコール・クメール・エクスプレス(SEILA ANGKOR KHMER EXPRESS)に到着しました。時刻は7時半で、バスが出発するまでに、まだ1時間ほどあります。

なぜこんなに早く来たのかというと、この近くで朝ごはんを食べようと思っていたからです。まずは夫が窓口に行き、予約していたチケットのバウチャーを見せて、発券してもらいました。写真は、日本からネットで予約したときのバウチャーです。

夫が手続きしている間に、MIYOは周囲を歩いて、食堂を物色しました。

お肉を切ってごはんにかけている屋台。女性の笑顔がすてきで、撮らせていただきました。

「GANZBERG」の派手な看板を掲げた食堂。

店先の厨房をのぞいてみると…、

たくさんの干し魚を並べているところでした。

店の前で孫ちゃんと遊ぶ、じいじとばあば。「若い夫婦は共働きで、祖父母が子どもを預かる」というのは、アジア共通ですね。^^


バスステーションの周りにある食堂街は、
仕事に出かける前に朝食をとる人々で、
にぎわっていました。
写真を撮ろうと、MIYOがカメラを向けると、
誰もが、温かい笑顔を見せてくれました。


なにかふんわりとして、穏やかな空気に満ちた、
プノンペンの朝です。
この日の旅が、始まろうとしていました。


(つづく)

ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 16 - Kravanh Restaurant で晩ごはん(2024年1月15日/4日め)

2024年1月15日 Kravanh Restaurant で。(カンボジア・プノンペン)


1月15日(日)- 4日め


閉館時間になり、
プノンペン国立博物館を出ました。


門の右側には、たくさんのシクロが客待ちしていました。

バンコクやホーチミンではもうほとんど見られなくなってしまった、なつかしい風景です。

お坊様です。ほんとうは、むやみに写真を撮ってはいけないそうなので、遠くからこっそりと。^^

門を出ると、目の前に広い道路が延びていたので、少し歩いてみることにしました。さて、この博物館前通りなのですが…、

帰宅して古い写真を見て気がつきました。これは同じ通りを、反対側から撮った写真です。奥に、国立博物館が写っています。14年前に、この通りを、家族4人で歩いていました。(2010年7月30日 のんたんとあみちゃん・14歳/中3)

家族4人で博物館を見学したあと、ガイドさんが連れて行ってくれたのは、この通りにある小さな学校でした。

この学校は、ユニセフほか、世界各国からの援助を受けて設立されていて…、

レストランも併設されていました。お客は西洋人ばかり。スタッフは、「先生」「生徒」と書かれたTシャツを着ています。このレストランの収益は、学校の運営に使われているようです。

明るいテラス席に通されて、お昼ごはん。


こんなところに連れて行ってもらえるなんて、
いい体験でしたが、
ほんと、変わったツアーでした。^^
このときにお世話になったのは、
「ファイブスタークラブ」という旅行会社。
夫のお気に入りで、
家族で海外に行くときは、いつもここでした。


安い団体旅行に申し込んだつもりなのですが、
ほかに参加者がいなくて、
メンバーはいつも、私たち4人だけ。
ベトナム(3回)、カンボジア、インド、
そしてエジプトと、どこに行くときも、
現地ガイドさん+ドライバーさんといっしょに、
総勢6人で専用車に乗り、
豪華プライベートツアーになりました。😄


さて、14年たって、たまたま、
同じ博物館前通りを歩いたわけですが、
以前にお昼ごはんをいただいたお店も学校も、
今はもうありませんでした。


学校運営がうまくいって、
さらに広い敷地に移転したのか。
それとも、カンボジアに学校が増えて、
このような活動をしなくてもよくなったのか。
いずれにしても、あのときの彼らの活動が
実を結んだのであればいいなあ…。^^


ワット・ウナロムという、金ぴかのお寺の前を通って、さらに歩きました。

晩ごはんは、Kravanh Restaurant。カンボジアの伝統的な料理のお店です。博物館を出てから1時間以上、街を歩き続けたあげく、たまたま見つけました。

門を入ってみると…、

すてきな外観のお店でした。誰かのお屋敷みたいな感じですね。^^

夜6時半ごろでしたが、人気店のようで、店内は予約客で満席でした。外国人ばかりですね。

玄関ホール。

運よく、テラスでひとつだけ空いていたテーブルに案内されました。すぐ隣りはプールです。

MIYOのアイスティー(1ドル)と、夫のハヌマーンビール(3ドル)。

お料理は、それぞれが食べたいものを一品ずつ注文しました。

魚のアモック(10ドル)。アモック(クメール語: អាម៉ុក、amok)は、伝統的なクメール料理です。食材とクルーン(多くのスパイスのミックスペースト、カレー)、ココナッツミルクを混ぜ、卵でとじた料理で、ご飯と共にいただきます。

チャートロップ(スモーク茄子と豚ひき肉の炒め物/9.8ドル)。

エビのフライドライス(8.5ドル)。

デザートは、お芋のココナツミルク仕立てです。「注文していませんが。」と言うと、「Complimentaryです。」と。お店からのプレゼントでした。^^

雰囲気が良く、お料理もおいしくて、楽しいディナーになりました。


お支払いは、サービス料が8%ついて、
合計34.88ドルでした。


こんな素敵なお店の前で…、

Grabを使ってトゥクトゥクに来てもらった私たち。爆 周りに停まっているのは乗用車ばかりでしたが。

ホテルまでは、3200リエル(約130円)。

Okay Boutique Hotel に到着。やっぱり博物館みたいですね。笑

このあとは、ホテル屋上にあるプールサイドバーへ。

プノンペンの街が一望できました。^^


明日の朝早く、シェムリアップに向かいます。
プノンペンに到着したのは午後3時で、
短い滞在時間でしたが、
めいっぱい、楽しく過ごせたと思います。


(つづく)

ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 15 - プノンペン国立博物館② 神鳥ガルーダの彫像(2024年1月15日/4日め)

2024年1月15日 プノンペン国立博物館で。


1月15日(日)- 4日め


プノンペン国立博物館の続きです。
前回は、
「神鳥ガルーダの彫像」
「横たわるヴィシュヌ神」
をご紹介しました。
この博物館で、国宝級とされているものは、
まだまだあります。


次は、「腕のないジャヤヴァルマン7世像」です。


【腕のないジャヤヴァルマン7世像】
シェムリアップのクロル・ロメアスで見つかりました。(クロル・ロメアスは、アンコール・トムの周辺にある、小さな遺跡です。)バイヨン様式で、12世紀末から13世紀初めにかけてのものと推定されています。


「仏陀と4人のロカパーラ(世界の守護者)」。アンコール・トムのバイヨン寺院から。バイヨン様式、12世紀末から13世紀初め。

バンテアイスレイの屋根飾り。10世紀末頃。息をのむほどに見事な、いきいきとした彫刻です。

テプ・プラナン寺院(シェムリアップ)のバルコニーの彫刻。バイヨン様式、12世紀末から13世紀初め。


夫によると、
「アユタヤとの戦いに敗れたあと、
 クメールの国力は衰えていき、
 彫刻もだんだん雑になっていく。」
とか、申しておりました。🙄へえ~。
たしかに、上の2枚を比べると、
彫刻の美しさが大きく違っています。


展示品の多さには、本当に驚きました。

バンテアイスレイの彫像。バンテアイスレイ様式。10世紀後半。手を伸ばせば触れてしまう距離から見ることができます。すごい。(触りませんが。)

パーンダヴァ(Pandava)像。プレアビヒアの彫像。コーケー様式、10世紀。
*パーンダヴァは、マハーバーラタに登場する5人の兄弟の総称です。

シバ神と息子のスカンダ(ヒンドゥー教の軍神)。プレアビヒア・コーケー遺跡のプラサット・クラチャップで発掘された像。コーケー様式、10世紀。父親としてのシバ神の、なんと穏やかな表情。

ナーガに坐る仏陀。13世紀。なるほど、たしかに、10世紀頃の物に比べると、像の表情から、繊細さが消えています。

博物館は、正方形の回廊になっており、その中心には美しく整備された中庭があります。この庭の中心部分にも、像が見えます。

「ライ王の像」です。こんな国宝級の像が、なんと屋外に置かれています。すごい。😅

14年前から、ここはずっと、ライ王の場所だったんですね。長女なんて、「ライ王の像」といっしょに写真まで撮ってました。🤣(2010年7月30日 14歳/中3)


【ライ王の像】
アンコール・トムの北にある、「ライ王のテラス」で発見されました。このテラスは、12世紀末にジャヤヴァルマン7世によって建造されたと言われています。「ライ王」とは、ジャヤヴァルマン7世の別名です。坐像の高さは153cmで、素材は砂岩。12世紀から13世紀ごろに制作されました。「ライ王」という名は、王が蛇を退治した時に返り血を浴び、その結果ハンセン病(ライ病)になってしまったというライ王伝説に由来しています。


ライ王の像を保護するため、国立博物館に移送した後、「ライ王のテラス」には、この像のレプリカが設置されました。レプリカであっても、地元の人々からは丁重に祀られており、現在も、お供え物や黄色の衣装が捧げられているそうです。(画像をお借りしました)

さて、美しい中庭にも、夕闇がせまってきました。そろそろ閉館時間です。

見学していた人々は、潮が引くようにみんな出て行ってしまい、館内には、私と夫の二人だけが残りました。

閉館まで、まだ5分残っています。最後にもういちど、「神鳥ガルーダの彫像」のところに行きました。

ほんとうに、なんてかわいらしいこと。^^


このガルーダをひと目見た時から、
私の頭の中では、
この像に、別のイメージが重なっていました。


それは、「キングダム」に登場する少女、河了貂(かりょうてん)です。


河了貂は、
「梟鳴(きゅうめい)」という山の民の末裔で、
みなしごとして、ひとりで生きてきました。
はねっかえりで気が強い少女なのですが、
その彼女が、ミノムシのような民族衣装を着て、
「オレは河了貂なりー!」
と見得を切るしぐさが、とてもかわいいのです。^^


「オレは河了貂なりー!」


いかがでしょうか。
彼女のポーズが、
「神鳥ガルーダ」と似ていませんか?😄


ってことで、「河了貂」ごっこをやってたら、夫に撮られてしまいました。(アホ)

「オレは河了貂なりー!」(お見苦しくてスミマセン😅)

誰もいない国立博物館で舞う、アホなふたり…。


ギリギリまで粘ったあげく、
私たちが出て行くと同時に、
博物館の扉が閉まりました。^^


庭のガネーシャ像と。

1時間しかいられなかったけど、堪能しました。


すばらしい彫像の数々でした。
カンボジアで、本物を見たかったら、
ここ、国立博物館に来なくてはなりません。


遺跡に置いてあるのはレプリカだったなんて、
知りませんでした…。😅


(つづく)

ベトナム・カンボジアを歩いた14日間 14 - プノンペン国立博物館① 横たわるヴィシュヌ神(2024年1月15日/4日め)

2024年1月15日 プノンペン国立博物館で。


1月15日(日)- 4日め


ホテルにチェックインしたのは、
15時半頃でした。
朝からずっと移動し続けたし、
このあとはホテルで、
のんびり過ごしたいところなのですが…。


多動夫は、とにかく、
おでかけがしたいんですよね。😂


プノンペンには、14年前にも家族で来ていて、主な観光スポットにはほぼ行っています。これは王宮の即位殿。王室行事が執り行われるところです。クメール様式の屋根は豪華絢爛で、風格があります。(2010年7月30日 のんたんとあみちゃん・14歳/中3)


み「もう午後も遅い時間だし、
  もうすぐ日が暮れるんだけど…。
  いったいどこに行きたいの?」


夫「プノンペン国立博物館!」


また博物館か…。😔


夫「前に来た時に、
  ここに行ってないんだよ。
  だから、今回はぜひ行きたい!
  アンコールワットとか、
  遺跡にあった仏像なんかの実物が
  この中に展示してあるんだよ!」
み「遺跡にあるのは、レプリカってこと?」
夫「全部ではないけどね。」


チカパシ、どうしても行きたいようです。😂
グーグルマップで調べると、
博物館はホテルから歩いて10分ほどのところ。
博物館は5時に閉館してしまいますが、
今すぐに出発すれば、
1時間くらいは見学できそうです。


まあ、しかたないか…。


ってことで、荷解きもせず、
ホテルの部屋にかばんを投げ捨てて、
そこから博物館まで、
ふたりして、とにかく走る走る…。🤣


トンレサップ川のほとりに建つ、「プノンペン国立博物館」に到着。はあはあはあ…。

クメール様式で建てられた、赤い博物館。すばらしい外観です。^^


さすが、国立博物館だけあって、
建物もすばらしいですね。^^
…と、ここまではよかったのですが。


この日記を書くにあたって、
2010年に家族で訪れたときの、
「ベトナム・カンボジア旅行」
の写真を見てみました。
すると…。


あれ? これは、もしかしたら…。(2010年7月30日)

国立博物館?

14年前に、行ってるじゃないかーーーーー!!


夫にはいつも、こうやって騙されてます。😔
国立博物館、今回が2回めですよ…。
(私もすっかり忘れておりましたが。笑)


まあ、夫本人には、騙しているつもりはなくて、
「いつも本気でそう思ってる」のです。
つまり、
14年前に行ったことをすっかり忘れていて、
「まだ訪れたことがない。
 だからぜひ行きたい。」
と、気持ちを募らせていたんですね。


夫は、記憶力がとても悪い。
昨日のことどころか、1時間前のことすら、
忘れていることがよくあります。
っていうか、自分の都合のいいように、
記憶を書き換えてしまいます。
そして、それが事実であると信じ込みます。😮


だから夫はこのとき、本当に、
「国立博物館には行ったことがない。」
と思い込んでいて、
「行きたい。行きたい。」
と訴えていたわけです。


博物館だけでなく、映画なんかでも、
夫は内容を忘れてしまうことが多いです。
いっしょに見に行った映画なのに、
夫は見たことすら忘れてしまいます。
私がストーリーを話して、
思い出させようとしても、
全然思い出せず、
「あなたは記憶力がいいねえ。笑」
と、他人事のようなコメント。
(いや、あなたの記憶力が悪いだけです。)
この不思議な脳に、
30年以上、振り回されてきました。
だからこれまでにも、夫に何度も言ってきました。


み「映画を見たって、すぐに忘れるのなら、
  見なくていいよね。
  博物館も、せっかく行っても忘れるんだから、
  行く意味がないじゃん?
  初めから行かなくてもいいんじゃない?」
と…。


冗談で、ちょっと意地悪を言いました。笑
すると夫は、


夫「いや、いいんだよ。
  忘れてしまうからこそ、何度行っても、
  新鮮な気持ちで感動できるんだ。

  同じものを何回でも楽しめる。
  オトクだね。♪」


こういうのを、「へらず口」と言います…。😔


ちなみに、この国立博物館については、
私自身も、14年前に行ったことを、
すっかり忘れていました。
14年もたったら、記憶なんてほんと霧の中状態。


でも、ブログに書いた旅行は、
(ブログが)鮮明に覚えていてくれるので、
後で読み返すと、
当時のことがまざまざと蘇ります。
ほんと、
「旅行の思い出は、
 覚えているうちに書き残しておかなくては。」
と、切実に思います。


…ということで、14年前から現代に戻ります。門を入って右手にある建物で、まずは入場料を支払いました。

入場料はひとり5ドル。バッグなどの持ち込みはできません。オフィスの奥のロッカーに、荷物をすべて預けるシステムです。

そして、博物館の中央部にある、入口に向かって歩きました。


【プノンペン国立博物館】
王宮のやや北にある歴史博物館です。1913年に建てられ、1920年に開館しました。外観は、赤いクメール様式が印象的な建物で、6世紀から15世紀までの彫刻、漆器、青銅器、陶磁器、木彫りなどが収集・展示されています。展示品は、アンコール遺跡から発見された彫刻を中心にしており、その数は5000点以上にのぼると言われています。展示物は年代順に並べられていて、クメール芸術や仏像の様式などが時代とともに移り変わっていく様子がわかりやすくなっています。また、手入れの行き届いた中庭も見どころです。
ほとんどの展示品はケースに入っておらず、展示物を近くで細部まで見ることができます。国宝級の遺物である「ライ王の像」や、高さが1mを越える「横たわるヴィシュヌ神」、腕のない「ジャヤヴァルマン7世」像、バンテアイチュマールの盗掘から助け出された「千手観音」の彫刻、そして入ってすぐにあるコミカルなスタイルの「神鳥ガルーダの彫像」など、国宝級の彫刻が展示されていて、とても見ごたえのある博物館です。
館内の撮影は禁止となっていますが、中庭は、撮影が可能です(有料)。


このときの夫、MIYOのことはもう、存在すら忘れています。頭の中は、遺跡でいっぱい。写真を撮っていたMIYOを残して、さっさと入り口を入っていってしまいました。(←中を見ても、どうせまた忘れるのにね。🤣🤣)

それはさておき、閉館まであと1時間しかありません。MIYOも、急いで中に入ります。

入ってすぐのところにある、「神鳥ガルーダの彫像」。なんか愛嬌があって、カワイイ。MIYOは、このガルーダが気になって、その後も何度もここに来て、眺めていました。^^


【神鳥ガルーダ】
インド神話に登場する神鳥、ガルダの別名です。カルラ、あるいはスパルナとも言われます。仏教では、迦楼羅(かるら)あるいは金翅鳥(こんじちょう)と呼ばれ、仏を背負って三世、宇宙、世界を飛ぶとされています。タイ王国の国章であり、インドネシアの国営航空会社である、「ガルーダ・インドネシア航空」という名の由来ともなっています。


ここでMIYOは右方向に進み、夫とは生き別れになりました。

こんなにたくさんの仏像が、各地の遺跡の中で、最近までごろごろしていたというのがすごい。

このとき夫は、左方向へと歩いていきました。たぶん、夫が歩いた順路の方が本来のルートだったのだと思います。

高さが1mを越える「横たわるヴィシュヌ神」(11世紀頃)。近くで見ると、すごい迫力でした。


【横たわるヴィシュヌ神】
ヴィシュヌ神の青銅像(ブロンズ像)です。1296年から1297年にかけてクメール王朝(アンコール王朝)に滞在した、中国元代の漢人・周達観が著した書物「真臘風土記(しんろうふどき)」に、「仏陀像」という記述があります。それがこの像でした。彼が見た像は、実際には仏陀像ではなく、ヴィシュヌ神像だったのですが、その像が、1938年、アンコール地域貯水池の中央にある、西メボン寺院から発見されました。

この、横たわるヴィシュヌ神像は、高さが6メートル以上もあった青銅像で、東南アジアでは最大級です。青銅像は部分的に鋳造され、眉、目、口ひげは貴金属で象嵌されていました。


写真撮影禁止と聞いていたのですが、
なぜか、みなさん、普通に撮っていました。
フラッシュは、もちろん使いませんが。
係員から注意されることもなかったので、
私たちも撮らせていただきました。


このときに撮った写真。
150枚くらいあります。😂😂(アホ)
とうてい掲載しきれませんが、その中から、
選んで選んで、ご紹介したいと思います。
(ほんとうは、全部載せたい。笑)


(つづく)