MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
http://limings.muragon.com/tag/?q=2019%E5%B9%B49%E6%9C%88-10%E6%9C%88%E3%80%80%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0&p=4 
をご覧ください。
ベトナム家族旅行:
https://limings.muragon.com/tag/?q=2017%E5%B9%B412%E6%9C%88%E3%80%80%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0
小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
http://limings.sweet.coocan.jp/

骨折でも台湾。家族で食べ歩いた、4泊7日のおトク旅 1 - 大晦日の出発(2018年12月31日-1月1日/1-2日め)

2018年12月31日 羽田空港の動く歩道がお気に入りです。(全盲難聴・のんたん 23歳)


12月31日


たいへん長らくお待たせいたしました。(笑)
そんなこんなで、新連載、「骨折でも台湾」のスタートとなりました。


一家で自宅を出発したのは、12月31日、大晦日の夜でした。
例年であれば、大晦日には、家族でスーパーにでかけて、
食材をたくさん買い込み、
夜は年越しそばをいただいて、
家族みんなで年越し・・・、となります。


が、今年は、いつもと全く違った大晦日となりました。
まず、MIYOが動けない(動きたくない)ということで、
年越しそばを作るのはやめました。(汗)


そのかわりに、夕方、夫と長女がコンビニに行き、
アルミ鍋にはいった、一人用の年越しそばを、
4個買ってきました。
今年はこれが、夕食代わりの年越しそばです。(苦笑)


まずはお風呂に入り、みんなでおそばをいただきました。
そして、夜10時半。
テレビでは、紅白歌合戦がにぎやかに進行しているなか、
家族全員でマイカーに乗り、自宅を出発しました。


車で、自宅の最寄り駅まで行き、
旅行カバンと私、そして子どもたちを降ろしたら、
夫が自宅まで戻りました。
そして、自宅に車を戻してから、
再び、夫が駅まで歩いてくる、という手はずです。


いつもなら、駅までみんなで歩いていくのですが、
今回は、私がなるべく歩かなくてすむように、という、
苦肉の策でした。


こうして、自宅の最寄り駅から、予定通りの時間に、
電車に乗ることができました。
大晦日の深夜ですから、
電車には、乗客がほとんどいません。


なぜ、こんな時間に家をでたのかというと、
これが、羽田空港まで行くことができる、
最終電車の時間だったからです。


電車の中で、「行きたくないなあ・・・。」と、浮かない顔のMIYOです。

長女は、職場の忘年会の福引きでiPadが当たりました。早速、車内であれこれ楽しんで見ていました。


電車が浜松町に着きました。
ここで、トラブル発生です。


いつもなら、私が長男を手引きして、
夫と長女が荷物を一個ずつ持ち運ぶ、というのが、
我が家の旅のスタイルです。


けれど今回は、私が松葉杖をついているので、
長男を手引きすることができません。
そこで、長男の手引きは長女にまかせ、
夫が二個の旅行カバンを運ぶ、という手はずになっていました。


ところが、電車の中でiPadに夢中になっていた長女は、
浜松町に着いたのに気がつかず、
私に言われて、あわてて、「自分ひとりで」
電車を飛び出してしまったのです。


「のんたんを電車から降ろして!」という私の声で、
家族全員の荷物がはいったかばんを両手に持っていた夫が、
とっさに電車に戻りました。
そして、ふたつのカバンに加えて、
長男の手まで引いて電車を降り、
なんとか事なきを得ました。


夫も長女も、そのまま、何食わぬ顔で、
モノレール乗り場に歩いていこうとしました。
まかり間違えば、たいへんなことになっていたのに、
事の重大さを、夫も長女もわかっていません。
そこで、
「そうじゃないでしょう!! 
 あなたたち、なにやってるの!!」
と、私のかみなりが落ちることとなりました。


「しっかりしなさいよ。
 今回はね。私は役に立たないの。
 いつものようにはいかないの。
 私の代わりに、のんたんのことを常に気配りしてないと、
 絶対に、事故になる。
 事故になってからじゃ遅いの!!
 気を引き締めなさい!!
 のんたんの命がかかってるんだよ!


ホームの真ん中に夫と長女を立たせて、
MIYOのお説教が、ひとしきり続きました。
役立たずのくせに、えらそうな母です。(苦笑)


長女に向かって、
「いつもの旅行と違うんだよ。
 のんきにしてちゃだめ。
 おかあさんの代わりに、
 あなたが、のんたんを手引きするんだってことを、
 しっかり自覚して。
 電車の中で、iPadなんかで遊んでる場合じゃないんだよ。」
と。


そして、夫に向かって、
「あなたもあなただよ。
 もともとは、のんたんを忘れて、
 自分だけ電車を降りたあみが悪いんだけど、
 代わりにあなたが、かばんをふたつ持った状態で、
 のんたんの手引きまでするような、
 危ないことはしないで。
 かばんで両手がふさがってるんだから、
 なにかがあったときに、のんたんを守ることができないでしょ。
 今回の旅行では、あみにしっかりやらせるんだって、
 心にきざんで。
 あみができなくても、オレがやればいいんだ、って
 甘く考えないで。」
と・・・。


両脇に松葉杖で、なんの役にもたたない母が、
ホームの真ん中で突っ立って、吠え続けているのを、
夫と長女は、しょんぼりと聞いておりました。


母に叱られて、
長女は、長男の手引きをしながら歩き始めました。
少し遅れて、夫は、2個のかばんを運び、
さらにその後を、なにもしない私が(苦笑)、
杖をつきながら歩いていきます。


モノレールで。「電車の中で遊ぶの禁止」と言われて、長女は、緊張した面持ちで座っていました。長男は、自分のせいで父親と妹が叱られたことなどつゆ知らず、のんきに座っています。


羽田空港に到着したところで、
夜中の12時を過ぎ、新年になりました。
家族全員で、「あけましておめでとう」と、
声をかけあいました。


空港内を、長女の手引きで歩く長男です。

並んで歩くふたりを、少し遅れて、見守りながら歩くMIYOです。^^


私たちが向かったのは、
2階の、レストランが集まっているエリアです。
夏にバンコクへ行った時も、
ここのベンチでお弁当を食べたので、
だいたいのようすはわかっていました。


深夜なので、もちろん、
レストランはどこも閉まっています。
でも、ここに来た目的は、レストランではなく、
レストランの横に置かれている、
「たくさんの長イス」です。


こんなふうに、レストランの周囲に、長いすが置いてあります。


私たちは、和食レストランの前に置いてある長イスを
使うことにしました。
赤い毛氈が敷いてあって、
むき出しのベンチより、少しはマシです。


ひとりが一個ずつ、長イスを占領し、
横になりました。


こんな感じです。バッグを枕がわりにして、頭の下に置き、さらに、盗まれないよう、持ち手に自分の手をくぐらせておきます。

長男もぐっすり。どこででもすぐに寝られるのが、我が家の子どもたちの特技です。


私たちが買ったチケットは、
ピーチ MM859便 で、
 2019-01-01 0550 羽田空港発
 2019-01-01 0855 台湾桃園国際空港着

というものでした。
価格は、ひとり分が30,260円(往復)という、
格安チケットです。


LCCですから、機内食も毛布もありません。
座席も固くて座りづらいかも、ということで、
この日、MIYOは、コートを2枚、重ねて着ていました。
機内では、1枚を脱いで、イスに敷き、
座布団代わりに使おうという目論見です。(笑)


朝5時50分のフライトなので、
搭乗手続きが始まるのは、夜中の3時ごろになります。
この時間に間に合うためには、
 ・前日から空港付近のホテルに泊まる。
 ・自宅から空港までタクシーで行く。
のどちらかになるのですが、
貧乏な我が家は、そのどちらの費用もけちって、
「空港のイスで野宿する」
という暴挙を選択したのでした。(苦笑)


まあ・・・。
ほんの3時間くらいのことですから。^^


長イスに横になり、
私も子ども達も、すぐに寝てしまいました。
が、夫は、うれしくて眠れなかったのか、
(遠足前日の子どものようですが)まったく寝ることなく、
ずっと、ベンチに座ったままで、荷物の番をしておりました。


(つづく)

×

非ログインユーザーとして返信する