MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
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ベトナム家族旅行:
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小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
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全盲難聴・のんたん 5回目の、東京都障害者スポーツ大会② - だーれだ?^^(2018年6月2日)

2018年6月2日 障害者スポーツ大会で。(全盲難聴・のんたん 22歳)


6月2日


スポーツ大会当日の朝です。
前夜、職場の仲間といつもの女子会で飲みまくり、
終電でかろうじて帰宅した私(苦笑)。


眠い!
でも、がんばる。^^


長男が出場する「ソフトボール投げ」は、
11時半ごろから始まる、と聞いていました。
その時間までには、会場に行かなければなりません。


少し余裕をもって、9時過ぎに、長女といっしょに家を出発しました。
電車で、東京都区内をほぼ横断するように移動して、
「駒沢大学」駅で下車。
駅前のマクドナルドでお昼ごはんを買って、
会場となっている、駒沢オリンピック公園まで歩きました。


この公園、かつてオリンピック会場だっただけあって、
広大な敷地に、公園や競技場がいくつもあります。
長女は、広さにびっくりしていました。


私は、毎年来ているので、
いまさら地図なんて見なくても、
「ソフトボール投げ」の会場となっている競技場まで、
すたすたと歩けます。


ソフトボール投げの会場に行ってみると、いました!
テントの中に、我が息子!^^


長女が、そおっと近づいていって、長男の手を触り、
「だーれだ」
と言うと、間髪を入れず、
「あみちゃん!!」(笑)


この日に長女が来ることを、伝えていなかったのですが、
長男はすぐに、「あみちゃんだ!」とわかっていました。
さすがです。^^



長男、手を握っただけで、
その人が誰であるかをあてることが、よくあるんです。


もう何年も前のことになりますが・・・。
小学生の頃から10年以上、毎週来てくださっていた、
ホリイさんというボランティアさんがいらっしゃいました。
その方と長男が、2年ぶりくらいに、
たまたま、ある集まりでごいっしょしました。


ホリイさんは、長男に挨拶しようとしたのですが、
私は、わざと、目で合図してそれをとめ、
長男の手だけを握ってもらいました。


「だーれだ」
と私が聞くと、長男は、まったくまようことなく、すんなり、
「ホリイさん」
と言ったので、一同、びっくり。


何年も会っていなかったし、
その日に会うことだって知らなかったのに、
手をさわっただけで、
長男は瞬時に、ホリイさんだとわかったのです。


いちばんびっくりしたのは、ホリイさんだったことでしょう。
ホリイさんには、長男が小学一年生の頃から、
毎週、お世話になりました。
放課後、学校のお迎えにいらしてくださって、
小さな長男と手をつないで、公園に行ったり、児童館に行ったり。
数時間をいっしょに過ごしたあと、学童保育に送ってくださいました。


「放課後デイサービス」なんてありがたいものがなかった、
15年以上前の話です。
そのころの、ホリイさんの暖かい手を、
長男は何年たっても、覚えていたのです。
そのようすを見ていた私は、涙が出そうになりました。


そんな長男ですから、
自分の妹の手をさわってあてるくらいは、
朝飯前、なのかもしれません。^^


ちなみに、私のことはどうかというと、
長男は、手を触ることすら、必要としません。
長男の鼻先に、私の手の甲を近づけるだけで、OK。(笑)
長男、「フン」と軽く一回、息を吸っただけで、
「おかあさん!」と言います。(爆笑)
すごい嗅覚です。^^


さて、競技場のテントの中で、
長男といっしょに、私と長女も待機していたのですが、
名前を呼ばれた人たちが、
隣りのテントに移動することになりました。


まだ11時15分です。
競技は、予定していた11時半よりも、
少し早めに進行しているようです。
例年どおりの時間に会場に到着していたら、
長男の競技に間に合わなかったかもしれません。
時間に余裕をもたせておいてよかった、と思いました。


「ソフトボール投げ」は、出場者の全員が、視覚障害者です。
なので、移動するときは、一列に並び、前の人の肩に手を置いて、
「汽車ぽっぽ」のようになって、みんなで歩きます。
(ちょっとほほえましいです。^^)


みんなで一列に並んで、肩に手を置いて移動します。


隣りのテントまで移動したら、
イスに座って、自分の順番を待ちます。


下の写真では、みんなうつむいて座っていますが、
これは、視覚に障害がある方の普通の座り方です。
目の見えない人は、「前を向いている」必要がありません。
前を向いても、見えるものがないからです。
なので、自然と、こんな座り方になります。


みなさん、下を向いておられますが、別に、しょんぼりとしておられるわけではありません。みんなで歌を歌ったりして、陽気に待っておられました。^^

いたいた。奥から2番目に、長男が座っています。^^


長男の出番は、2番目でした。
公平を期すためでしょうか。
今年から、全員、アイマスクをつけることになったようです。


まずは、位置について、
審判の方から、投げる方向をおしえていただきます。


「足の位置はここですよ。」


いよいよ、本番です。
ところが、ここでちょっと困ったことになりました。
「開始」の合図があったのに、
長男が、ボールを投げようとしないのです。


会場のみんなが見守る中、
長男はボールをもったままで、じっとしています。
どうしたのでしょうか。
係員の方も、戸惑っているようでした。


(つづく)

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