MIYO'S WEBSITE-全盲難聴のんたんの育児記録と卵巣ガンで思ったこと

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは21歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。

のんたん日記8 まんねんちの、かめ - 全盲難聴・のんたん 11歳

おしゃべりしながら、指文字を使っています。「胸をたたく」というオリジナルな一文字は、担任の先生がのんたんのために考案してくださいました。(全盲難聴・のんたん 11歳。)



ガンになって、自分があとどれくらい生きられるかわからない、と思ったとき、
閉鎖したままになっていたHPの子どもたちの記録を、
もう一度整備して残しておきたい、と思いました。
ブログを始めたきっかけも、実はそれでした。
というわけで、このところ、ちょっとお休みしていましたが、
今日は、久しぶりに、「のんたん日記8 (7)まんねんちの、かめ」をアップしました。
http://limings.sweet.coocan.jp/nontan08/nontan0807.html
*突然、「まんねんちの、かめ」と言い出したのんたんと、とまどう私たちのお話です。
いまから10年以上前に書き、そのまま保管してあったものです。
(古くてすみません。)
のんたん日記8(のんたん11歳)のその他の記録は、下記をご覧ください。
http://limings.sweet.coocan.jp/nontan08/nontan0800.html


その他の記録については、
ガンになって
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をご覧ください。


(以下に、のんたん日記8 (7)まんねんちの、かめ を転載しておきます。)


  このごろののんたんは、ことばがずいぶん増えてきました。が、それでも、 「これはいったいなんと言っているのだろう?」と、おとうさんやおかあさんが悩んでしまうことも 少なくありません。なかでも、最近で、最も笑わせてくれたのが、この「まんねんちの、かめ」でした。
  ある日の夜のことです。のんたんを学童に迎えに行ったあと、おとうさん、おかあさん と三人で、どこかで晩ごはんを食べて帰ろう、ということになりました。
  車の中で、おとうさんとおかあさんが「どこへ行こうか」と相談していると、 のんたんが、
「これから、まんねんちの、かめ! いきます!」
と、元気に言いはなったのです。
「まんねんちのかめ…?」
  おかあさんには、それがいったいなんなのか、思いつきません。おとうさんも、 さっぱりわからい、とのこと。そこでのんたんに何度も聞きましたが、のんたんはちょっと 考えたあとで、
「まんねんちの、かめ!」
と、やはり元気に言うばかりなのでした。
  うん、いい発音です。でも、なんのことやら、さっぱりわかりません。
そこで、最近のんたんといっしょに出かけたところで、名前が似ているようなところは ないか、と考えてみました。その結果、どうやらこれは、「アリオ亀有」という、 亀有にあるショッピングセンターではないか、ということになりました。
  でも、似ているのは、「かめ」がついている、というだけです。こじつけにしても、 このふたつを同一のものと考えるのは、ちょっと無理があります。念のため、おかあさんは のんたんに聞いてみました。
「のんたん、まんねんちのかめで、なにするの?」
  するとのんたんは、
「まんねんちのかめで、かとちゃん、やります!」
と、ますますわからないことを言い出しました。
「かとちゃんて、なに?」
とたずねるおかあさんに、
「おれもわからん!」
と、あきらめ顔で答えるおとうさん。
  それでも、のんたんが自信たっぷりに「まんねんちの、かめ!」と言い放つようすがおかしくて、 おとうさんとおかあさんは、涙が出るほど笑い転げてしまいました。
  おかあさんはさらに、
「のんたん、かとちゃん、やってみて。」
と頼んでみました。
  するとのんたんは、体を前後左右にふりながら、
「まえ、まえ、まえ、まえ、うしろ、うしろ、うしろ、うしろ!」
と言い出しました。
  どうやらこれは、アリオ亀有に設置してある乗り物に乗ったところを再現しているようです。 のんたんは、自分のお気に入りの乗り物に「かとちゃん」と名前まで 勝手につけているようなのです。
「やっぱり、アリオ亀有のことだ!」
  とりあえず、おとうさんとおかあさんは、半信半疑ながらもアリオ亀有に行ってみる ことにしました。のんたんが言葉で言ったことは、なるべく実行してやりたいと思っている からです。そうすることで、あまりしゃべらないのんたんが「もっと話そう」と思ってくれ るように、と願ってのことなのです。
  とはいうものの、ほどなくアリオ亀有に到着しても、ここが本当にのんたんの行きたい 場所なのか、おかあさんにはいまひとつ確信がありませんでした。
  車を地下駐車場にとめて、おかあさんはのんたんといっしょにエレベーターホールに 向かって歩き始めました。ここがどこなのか、のんたんにはもうわかっているはずです。 そこでおかあさんは、もういちどのんたんに聞いてみました。
「のんたん、ここはどこ?」
  するとのんたんは、しっかりとこう答えたのでした。
「まんねんちの、かめ!」
  あー やっぱりここだったー!、とおとうさんとおかあさんは大爆笑です。のんたん は、希望どおりのところに来られたので、満足そうな顔をしています。
「でも、いったいなんでここが、『まんねんちのかめ』なの?」
「わからん!」
  おとうさんとおかあさんは、同じ会話をくりかえしながら、お腹を抱えて笑いつづけました。
  さんざん笑わせてもらったあとで、やはりきちんとおしえなければ、というわけで、 おかあさんはのんたんに、
「ここは、『まんねんちのかめ』じゃなくて、『アリオ、かめあり』って言うんだよ。」
と、なんども説明しました。
  そのかいあってか、のんたんはしだいに、『まんねんちのかめ』がまちがいであった ことをわかったようでした。
  その次の週末のことです。
  のんたん一家は、またも「アリオ亀有」に遊びに行きました。
  その帰り道、おかあさんはのんたんに聞いてみました。
「のんたん、ここはどこ?」
「まんね…、ありおかめあり!」
と答えたのんたんに、またまた笑わせてもらった、おとうさんとおかあさんなのでした。
  それ以来、のんたんは、「アリオ亀有」と正しく言えるようになりました。 ほんとうのことを言うと、おかあさんにはそれがちょっと残念だったりもします。 のんたんの「まんねんちのかめ」があまりにかわいかったので。
  そしてこれ以来、のんたんと反対に、おとうさんとおかあさんのあいだでは、 アリオ亀有のことを、「まんねんちのかめ」と呼ぶようになってしまいました。 だって、そのほうが、なんだかおもしろいでしょう?(笑)。
  もちろん、のんたんの前では、けっして言いませんけどね。 そんなことをしたら、のんたんがまたまた混乱してしまいますからね。


(おわり)

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