MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
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をご覧ください。
ベトナム家族旅行:
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小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
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のんたんの冬休み-14 おいしいものを食べる、ベトナム8日間おトク旅 10 - 鍾乳洞へ行くよ!(2017年12月25日/2日め)

2017年12月25日 ハロン湾クルージングで、おかあさんのお話を、耳を澄ませて聴いています。
(全盲難聴・のんたん 22歳)


12月25日


奇岩群はまだまだ続きましたが、
私と長男は船室に戻り、食事を続けました。


長男の食事は、底の深いお茶碗に取り分けることが多いです。
こうすると、全盲の長男でも食べやすいからです。

バナナを食べながら、大笑い。


船室でのんびりしているうちに、とある島に到着しました。



ガイドのティンさんがやってきて、言いました。
「これから、島の鍾乳洞に行きます。
 階段を200くらい上がるので、たいへんです。
 みなさんは、船に残りますか?」


私と夫は、瞬時に答えていました。
「いきます!」(笑)


「えっ 行くの?」
と、ティンさんはびっくり。
全盲の長男がいっしょなので、
きっと、島に上陸しないだろう、と思っていたようです。
でも、崖をのぼるわけでもないし。
階段が200くらいなら、なんとかなるでしょう。


「のんたん、船をおりるよ。
 これから、階段をいっぱいのぼるよ~。」
と、私に言われた長男。
立ち上がり、私といっしょに、はりきって上陸しました。


港に着いたときに、ガイドさんが購入してくれたチケット。(ひとり200円)
島に上陸するためには、このチケットが必要です。

島の岩山。これからここを登ります。


鍾乳洞に行っても、
長男はそれを見ることができません。
でも、だからと言って、家族全員で行くことをあきらめるよりも、
階段を上っていくというプロセスを、
長男といっしょに楽しむことができれば、
それでいいじゃない、と思ったのです。


というわけで、ツアーの他の方々にまじって、
私たちも出発しました。


長男の左側に立ち、
長男の左手と右肩に私の両手を添えて、
声をかけます。


「のんたん、これから、かいだんをのぼるよ。
 せ~の! 1、2、3、4、5、6…」
階段を一段一段数える、私のかけ声に合わせて、
長男は足をあげ、上手に上っていきます。


いつもいっしょに歩いているふたりですもの。
長男と私の呼吸はぴったり。
まるで、二人三脚でもしているかのように、
ふたりで歩調を合わせて、階段を一段一段上がっていきました。


しばらく上ると、階段が終わります。
「はい、ここでおわり~。
 ここから、歩くよ。」
長男、なんの迷いもなく、上るのをやめ、私と歩きます。


ふたたび、階段です。
「のんたん、また上るよ!
 せ~の! 1、2、3、4、5、6…」


ときどき休んで、
「のんたん! すごいよ! えらいねえ! じょうずだねぇ!」
と褒めると、長男、ちょっととくいそう。
「これくらい、平気だよ!」
とでも言いたげに、どんどん階段を上がってくれました。


そんなふうにして、一度もつまづいたり転んだりすることなく、
とうとう200段をあがりきり、鍾乳洞に到着!
「のんたーん。階段、おわりで~す。
 よくがんばったねえ! すごいねえ!
 おかあさん、びっくりだよ~!!」
と言うと、長男はうれしそうに笑っていました。


(つづく)

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