MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
http://limings.muragon.com/tag/?q=2019%E5%B9%B49%E6%9C%88-10%E6%9C%88%E3%80%80%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0&p=4 
をご覧ください。
ベトナム家族旅行:
https://limings.muragon.com/tag/?q=2017%E5%B9%B412%E6%9C%88%E3%80%80%E3%83%99%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0
小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
http://limings.sweet.coocan.jp/

入院時の個室料金を、患者からだまし取る病院 ⑥

2004年11月17日 先生が、農家さんからたくさんの「藁」をもらってきてくれました。「藁」を見ることができない子ども達が、肌で感じて体験できるように、と。藁のベッドで、日差しを浴びて、気持ちよさそうです。(全盲難聴・のんたん 9歳)



これまでの記事で、
「入院の際に同意書を書いたら、差額ベッド代を支払わなくてはならなくなる」
というお話をしました。


実は、「同意書」以前に、
見落としがちな「落とし穴」が、もうひとつあります。
それは、「入院申込書」です。
実は、こちらの方が、「同意書」よりももっと、
罠にはまりやすいので、要注意です。
今日は、そのお話をします。


緊急の事態でない場合、通常は、病院によって入院日が決められます。
そして、
「○月○日に入院してください。」
などと言われます。
その際に、
「入院申込書を書いて、事務に提出しておくように」
と言われます。
この「入院申込書」で、注意していただきたいのが、
「病室の希望」欄です。


ある病院を例にあげましょう。
病室の選択肢は、4つです。
・4人部屋(廊下側。差額ベッド代なし)
・4人部屋(窓側。差額ベッド代1日5000円)
・個室A(差額ベッド代1日50000円)
・個室B(差額ベッド代1日70000円)


ここから選んで、病室の希望欄に、3つを記入するようになっています。


 第一希望:
 第二希望:
 第三希望:


と、こんな感じですね。
皆さんだったら、どんなふうに記入しますか?
ほとんどの方が、こんなふうに書くのではないでしょうか。


 Aさんの入院申込書(例)
 第一希望:4人部屋(廊下側。差額ベッド代なし)
 第二希望:4人部屋(窓側。差額ベッド代1日5000円)
 第三希望:個室A(差額ベッド代1日50000円)


これを提出すると、アウト、です。(笑)


こんなふうに申込書を書いても、
「運がよければ」、差額ベッド代なしの部屋に入れます。
でも、「運が悪いと」、こんな電話がかかってきます。


「あいにく、第一希望のお部屋は空きがありませんでした。
 ですので、第二希望の、4人部屋(窓側。差額ベッド代1日5000円)
 になります。」


はい。
差額ベッド代の支払いが、決定してしまいました・・・。


別に、有料の部屋を希望しているわけではありませんでした。
けれど、「入院申込書」に、第一希望、第二希望・・・なんてあるから、
深く考えることなく、入りたい順番で書いてしまうのです。
そして、無料の部屋に空きがないと、
あたかも、「自分が有料の部屋を希望した」かのように扱われてしまうのです。


こういう「入院申込書」は、まるで罠のようなものなのですが、
ほとんどの人が、その落とし穴に気がつくことなく、
病院の都合のいいように誘導されて、
有料の部屋を希望欄に書いてしまうのです。


では、この入院申込書、どんなふうに書けばよかったのでしょうか。
私は、いつも、こう書いています。


 Bさんの入院申込書(例)
 第一希望:4人部屋(廊下側。差額ベッド代なし)
 第二希望:4人部屋(廊下側。差額ベッド代なし)
 第三希望:4人部屋(廊下側。差額ベッド代なし)


まるで冗談みたいですが、本当の話です。

数年前、自分が入院・手術することになり、渡された入院申込書を見て、
その危うさに考え込みました。
「うっかり記入してしまうと、
 有料の部屋に入れられても、文句が言えなくなる」

と思ったのです。
なにしろ、自分で、「希望」欄に書いてしまうわけですから。


差額ベッド代を徴収されるからくりを知らなければ、
ほとんどの方が、誘導されるままに、
第二希望、第三希望の欄に、
「希望する有料部屋」を記入してしまうことでしょう。
でも、それがまちがっていることを、私は知っていました。
なので、「この希望欄に、有料の部屋を書いてはいけない」と、
すぐに気がついたのです。
これです。
これこそが、「知るは力也」っていうことなんです。


さて。


AさんとBさんは、同じ日に入院することになりました。
でもあいにく、無料の部屋は、ひとつしか空いていませんでした。
ここで問題です。
病院は、AさんとBさんのどちらを、無料の部屋に入れるでしょうか?


答えは、もうおわかりですよね。
無料の部屋をゲットできるのは、Bさんです。
Aさんは、第二希望だった、
「4人部屋(窓側。差額ベッド代1日5000円)」
に入ることになります。
だって、当然ですよね?
Aさんは、その部屋にはいることを、「希望」していたのですから。


現実には、Bさんのような入院申込書を書いて、病院に提出するときは、
ちょっと勇気がいりました。
病院がそれを見ると、どんなことが起こるだろうか、と。


答え。「何も起こりませんでした。」(笑)
窓口の担当者は、黙ってそれを受け取り、入院申込書が受理されます。


「第二、第三には、違う部屋を書いてください。」
なんて、言われませんよ。
だって、これはあくまで、「希望の部屋」を書く欄ですから。
「私は、有料の部屋を希望していないから、
 この欄には有料の部屋を記入できません。」
それだけです。


過去4回の入院で、私はいつも、
このBさんのような入院申込書を提出しました。
窓口で注意されたことは、一度もありません。
そして、運のいいことに、
必ず、無料の部屋に入れていただくことができました。


「この患者を有料の部屋に入れても、
 どうせ払わないだろうから、ソンだ。
 こういう人は、個室に入れないようにしよう。」
と、思われているのかもしれません。


「何も知らず、病院の言いなりになって、
 差額ベッド代を払ってくれそうな人を、
 優先的に、有料の部屋に入れたい。」
病院だって、そう思っているに決まっています。


(つづく)

×

非ログインユーザーとして返信する